アンバサダー・プログラムのダウンロードはなぜ面倒になったのか?

自分の仕事にも示唆するところがあるように思ったのでメモ。

手間のかかる操作

任天堂3DSアンバサダー・プログラムが開始されたので、早速ダウンロードしに行ったわけです。
しかしまあ、ダウンロードがとにかく面倒。eショップアプリの「設定画面」の「購入済みソフト」の履歴から再受信させるのは良いけど、複数をまとめてダウンロードするような事を一切考慮していない仕様なわけで、一つ一つを選択して、購入(無料)して、ダウンロード完了を確認して、と繰り返す。これを10回ですよ。大変。
それでも、一つずつの対象に辿りつくのが簡単ならば許せるけど、「購入済みソフト」履歴のリストの並びが拙いんですね。これまでに色々とダウンロードしていたので、元々、既に20近くの履歴があったんですよ。その履歴群の「一番後ろ」にアンバサダー対象プログラムが追加されるんです。しかも、この履歴画面はページ対応になっているので、幾つかの対象はページをめくらなければ辿りつけない。おまけに「次ページ」ボタンは画面を一番下までスクロールさせないと触れない。一つダウンロードする度に、設定画面に戻るところから始めて、延々と対象にたどり着くまでスクロールを繰り返していくわけです。頼むからワープトンネル付けて。

2つの疑問

この履歴リスト、最初は最近購入した方が先に表示されると思ったけど、どうも何らかのグループ単位でまとめて並べるらしくて、そのグループの中でまた一定のルールで並べるみたい。所有している3DSではポケモン立体図鑑BWが最初に来ているんだけど、これの後にE3の映像とかダウンロードしているんで受信日では無い事は確か。今ひとつはっきりとわからない。これに比べると、「ご利用記録」の方は、最近受信したものから順番に並んでいる。わかりやすいし自然だと思う。なぜ、仕様を統一しなかったのか?
何か仕様を統一できない理由があったとしても、ちゃんとルールはあるだろうし、そうであれば何故最新の配信コンテンツであるアンバサダー・プログラム(グループ)が後ろに配置するようにしてしまったのか? 説明書には何の記述もない。

ここまでの疑問は以下の2点。

  1. なぜ「購入済みソフト」と「ご利用記録」の並び方のルールは異なるのか? あるいはなぜ並び方を変える事が出来ないのか? (そもそも、この2つが分かれている事自体が違和感があるんだけどね)
  2. なぜアンバサダー・プログラムは履歴リストの後ろの方に配置されたのか? あるいは後ろに配置されるようなパラメータ設定をおこなったのか?

並び方のルールあるいは選択肢の与え方について

最初の疑問だけど、任天堂のインターフェースを見ていると、何らかの操作を行うときに一つの画面で複数の選択パラメータを並べて、その組み合わせで動作を変えるような事を、行わないようにしていると思える。例えば、リスト表示を行う際にWEB等では並べ替えのボタンなりが用意してあって、1つの画面上で色々と表示を変えていく。任天堂は逆で、一つの画面で一つの動作・機能。そして、その中で任天堂が最適と判断した動作を変更する余地はない。
だから、「購入済みソフト」と「ご利用記録」では類似点が多かろうが分ける。そして、その中で並びを変える事は出来ない。
この考え方は、自らが提供するポリシーに自信がないと、なかなか貫き通す事が出来ない難しい物だと思う。普通は、提供側はわからないので、選択肢を色々と用意する事でユーザに選ばせる。シンプルで最適な方法のみを提供し、ユーザも満足というのはユーザインターフェースの到達点と思う。
任天堂のゲームは、わかりやすくて操作しやすくて、「やりにくい」と感じた事はないので、多分、殆どの場面で成功しているんだろうけど、eショップは微妙かなあ。

パラメータ設定のミス?

まあ、ユーザインターフェース設計をどのようにおこなうかは、対象によって正解が異なるだろうから、どちらでも良いのだけれど、問題は、その決められた設計の中にコンテンツをどのように配置するかではないかと。
単純な話として、アンバサダー・プログラムはなぜ一番後ろに配置されてしまったのか? 並び方にルールがあるわけだから、その中で先頭になるようなパラメータ調整をおこなえば、選択の手間は大幅に改善されたはずです。それができないとも気づかなかったとも考えにくいです。(気づかなかったとすれば、そっちの方が怖いです。履歴無しのまっさらの3DSでしかテストしてないとかでしょ?さすがに、それはない)
推測するに、先頭にくるようなパラメータを設定してしまうと、今後何かのソフトを購入してもそれが先頭に来ずに、必ずアンバサダー・プログラムが先頭に来てしまう事になるからではないでしょうか。アンバサダー・プログラムは色々と他のプログラムとは異なる条件で配信されており、通常のゲームソフトとは異なる管理が必要になる(=グループを分ける)けど、既に並び替えのためのパラメータに空きが無く、一番先頭か、一番後しか残っていない。アンバサダー・プログラムは、最初のダウンロード時こそ先頭にあった方がよいけど、今後、色々なダウンロードソフトを購入した後も先頭に居座られるのは問題だろう、とまあこのような経緯があったのかなあ、と想像するわけです。
完全に想像でしか有りませんが、最適化されたものが想定外の問題に弱くて、無理矢理はめ込んだ結果、いま一つなものになるというのは、良くある話かと思います。

次こそ頼みます

3DSの値下げ自体は気にならなかった(むしろ、やった事の無いソフトとかにふれるチャンスとか思った)のに、このダウンロードの面倒くささの方がよっぽどガックリきたのは事実。「大使への贈り物」がこれかよ、まるで、本当は贈りたくないみたいだ、と。
冷静になって考える(ダウンロード自体は9/1にやりました)と、「導入」時の印象って強いなあ、と改めて思います。多分、システム内部の話や事情を聞けば、「ああ、なるほど」とか思ってしまうんだろうけど、一人の顧客として見ると、最初の印象は強烈だし、背景なんか知ったこっちゃないし。自戒自戒。

まあとにかく、アンバサダー・プログラムは、次回でGBAソフトが対象(やはり10本!)になっているので、今度は楽に入手できるようお願いします。ほんと。

P.S.

ところで、リンクは張らないけどAmazonでは新品で4万、中古品でも3万とか値付けしているやつがありますね。(2011/09/04現在)
仮に特典目当てだとしても(いやあアンバサダー対象とかハッキリと書いてないのも3万とかなんですよ)、高すぎではないのかなあ。それとも何か理由があるのでしょうかね?